notes

手牽手

SARS禍に苦しむ台湾から届けられた曲「手牽手」を毎日聞いている。
「手牽手」とは「手をつないで」という意味だけど、狙いどおりに勇気が出るいい曲だ。

その数日前から私は不本意に「つながれている」ことがたまらないストレスになっていた。wwwではネット上にアップロードされたファイルはどこからリンクされても仕方がないというのが定説らしい。これまでだって突然BBSにどう見ても営業としか思えないようなコピペで「リンクしました」報告はあったし、日記の「張惠妹」という文字からリンクされていたこともあった。あまり嬉しくはなかったけど仕方ないと思っていた。
でも少なくとも私が使ってる日本語では【リンク】と【聯盟】は同義語じゃないし、考えや言葉の使い方が全く異なる人に聯盟として言語道断につながれちゃうのは耐えられなかった。お陰で1週間よく眠れなかったし、友達との電話では悔しくて泣いた。
自らの行為が他人を傷つけてる。そんなこと想像すらしないのだろうな、彼らは。

ネットという場所だとしても、相手に対しての敬意や思いやりがない付き合いはつらい。文字でしか伝えられないメディアだから、よけいそう感じる。
言葉は気持ちを伝えるツールに過ぎないと思うようになったけれど(※)、それでも一生懸命気持ちを伝えたい。全てわかりあえなくても、少なくとも伝える努力はしたい。

私自身、サイト開設当初はあちこちの掲示板に書き込みをして宣伝じみたことはしたけれど、それでも少なくともサイトマスターとは向き合ってきたつもり。そのお陰で台湾・香港からもBBSに来てくれたり、何人かとは個人的にメールのやり取りもしてる。そういう人との出会いを得ることができた意味でも、このサイトは私にとって大切なものなのだ。

だけどこの一件では「サイトのファイル全部削除しようか?!」と思うくらい、「つながれてる」ことに強烈な嫌悪感を感じた。

1週間を経て、やっと「解放」されたときも安堵感はなかった。この後味の悪さ・・・。
サイトを公開してる限りまたこうしたことはいつやってくるのかわからない。
こだわりすぎ?そりゃこだわるよ、自分にとってこのサイトは大事な場所なんだもの。

そんなときに飛び込んできたSARS対抗応援歌のニュース、そして間をあけずにSARSにかかっていた台湾人医師が日本を旅行していたという報道があった。
日本だってこの未知の病気と無関係じゃない。つながってるのだ。
その報道に連なる海外からの書きこみ、メール。そしてこの曲「手牽手」。

ああ、そうだった。わたしはこっちともつながっていたのだ。

見ず知らずの人に傷つけられ、会ったこともない人に癒されてる。
わたしの手を力強く握ってくれたあなたに感謝するよ。

そしてやっぱりわたしは音楽が好きだ。
こうして音楽によって気持ちが救われているのだもの。
※注 これについてはまた後ほど。

2003年5月29日
Thx まおう しおんさん Lamyayさん masayan and Eling llop J yoyo
SARSという未知の病気と戦っている医師や看護婦・看護士などの病院関係者、そしてもちろん患者の方々を少しでも手助けするべく、できる限りのことを考えていきたいと思います。 それが「手牽手」という曲からわたしが貰った温かい気持ちへの恩返し。

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